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悩める現代に「やさしい」古人の名言 超訳共感 「ニーチェの言葉」42万部(産経新聞)

 人を喜ばせると自分も喜べる(ニーチェ『曙光』)

 ニーチェ(1844〜1900年)やゲーテ(1749〜1832年)ら古人の哲学者、文豪が残した格言・名言集が人気だ。難解な原文をやさしい言葉で解説した「超訳」などの読みやすさが売れている理由だが、根底には混沌(こんとん)とした世相を反映しているという。突然の解雇、就職難、自殺者の増加…。現代人は、古人の言葉に人生の羅針盤としての役割を求めている。(田野陽子)

 大阪・キタの旭屋書店本店。「人生を動かす『言の葉』」と書かれた特設コーナーには約50種類の名言集などが並ぶ。一番の売れ筋は『超訳ニーチェの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。出版元によると、今年1月の発刊からすでに42万部を記録する勢いという。「生」「愛」「心」など10テーマに分け、やさしく読むための「超訳」が付いている。

 例えば、〈どこを探しても中味がないような、純然たる仮面にすぎないような女たちがいる〉は、超訳では〈男たちからもてたいと思っているなら、自分の中身に何があるか見せないようにすればいい〉とした。

 訳を手がけた文筆家の白取春彦さん(56)は、「ニーチェの言葉には、自己啓発やノウハウのような便利さや手軽さではなく、いつの時代にも通じる、人生の根幹に響く力強さがある。彼自身が病気、家族、恋愛に悩み続けたからです」と説明する。今年4月以降、「ニーチェ 運命を味方にする力」(PHP文庫)など相次いで出版。また孔子など国内外約2千人の言葉を集めた「座右の銘」(里文出版)は10万部、「ゲーテに学ぶ 賢者の知恵」(メトロポリタンプレス)も順調だ。

 この現象について、出版科学研究所(東京都新宿区)は、「リーマン・ショック(2008年9月)以降の混乱や、ギリシャに端を発した欧州危機など先行きの見えない社会状況」をあげる。

 過去にも哲学関係の本が売れた歴史がある。関東大震災後に『哲学叢書』、戦後の混乱期には『西田幾多郎全集』。平成にも、オウム真理教事件のころには、ノルウェーの高校の哲学教師の書いた小説『ソフィーの世界』が話題を呼んだ。

 「定本ベストセラー昭和史」などの著作のある出版ジャーナリスト、塩澤実信さん(79)は「格言や名言には、力強い生気、不屈の魂、高みを目指す言葉が多く、混乱期や悩む人間にとって共感を呼びやすい。ケータイ小説など短く簡単な言葉に慣れた世代にも親しみやすいのだろう。そうした文章に対する身近さや、時代がうまく重なったのではないか」と話している。

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